4月20日、以前からTAKE-SPACEにある、故障した3Dプリンタの修理を行いました。
これは、メンバーのIさんからお借りしている「LUNAVAST(ルナヴァースト)」というシリーズのうちの一機。
故障とはいっても、ノズルから材料漏れが起こる程度のもの。
別売りの交換ノズルを、Iさんが既に購入していただいていたので、
ノズルを新品にして、
TAKE-SPACE用3Dプリンタとして復活させることにしました。
ルナヴァーストの3Dプリンタは、「3Dプリンタで作られた部品を使った3Dプリンタ」で、構造は比較的単純。
そのため、プリントの質は決して良いものではなく、複雑な形の物体をプリントするには適していません。
しかしこれ、現状にしては超お手頃価格の3Dプリンタで、安い機種であれば5万円程度で購入することもできるんです。
「3Dプリンタとは何?」「どんなことができる?」という初心者の人には最適な機種です。
作業の様子を紹介します。
まずは交換ノズルの組立てから始めました。
ノズルの構造は簡単。
3Dプリントの材料フィラメントをステージ上へ吐出していくノズル、
ノズルを発熱させる抵抗器、
ノズルの熱を監視するサーミスタ、
抵抗とサーミスタをノズルに固定するブロック。
主にはこの4点ぐらいでした。
コントロールボードへ繋がる配線と接続するコネクタがこれ。
コネクタから伸びている線に、抵抗器をサーミスタをハンダ付けで取り付けます。
抵抗器は、ノズル固定ブロックの貫通穴に通してからハンダ付けして、
リード線とハンダに熱保護チューブとテープを巻いておきます。
こんな感じ。
このユニットにノズルを差し込み、フィラメントを送り込むためのモータに組み付けました。
これでノズルユニット全体が完成です。
さて、今度はこのノズルユニットを本体に取付けます。
ノズルユニットは、X軸駆動ベルトに直付けします。
1本のベルトの両端をノズルユニットに固定し、ノズルユニットのZ方向昇降ステージにあるプーリにベルトを引っ掛けました。
次に、機構の取り付け精度の調整作業です。
まず、ステージの水平度を出していきます。
ステージの高さ調整は、底部にあるネジの位置で決めればよいのですが・・・、
困ったことに、水準器が工具の中から見つからない。
とりあえず応急処置として、手動でノズルユニットをステージ上の四隅に移動させ、
その4箇所でステージ上面とノズル先端の距離を測って、等間隔になるように調整しました。
最後に、原点位置を合わせます。
ルナヴァーストは、ステージの角っこをXY方向の原点に設定するように決められていますが、
Z方向原点は、ノズル先端とステージがギリギリ接触するところになります。
恐る恐るノズルを下げていき、ここだという場所で止めます。
で、この場所でZ駆動ユニットがリミットスイッチに反応するよう、
スイッチ位置を調整しました。
ハード的には、コレで完成。
作業自体は単純なのだけど、とてもハラハラしました・・・。
さっそくPC上のソフトでプリントを開始!
(PC上のソフトの設定で長時間右往左往しましたが)無事プリント完了!
一応、ソフトのサンプルプログラムに入っていたロボットなんですが・・・
ぐにゃぐにゃ(笑)
勿論、プリンタの性能の限界という事あるようですが、
ノズルの移動速度や温度設定は、PCで自由に変更できるので、
パラメータを変えていけば、さらに綺麗なプリントができるかもしれません。
さて、これでTAKE-SPACEにも遂に3Dプリンタが工具として加わりました。
これからは、3Dプリンタをワークショップの中の加工手段として組み込めないかどうかも考えていきたいです。
もちろん、個人の作品作りに利用して頂いても構いません。
活用案のアイデアがあればぜひ一声おかけください!